名義預金 贈与 相続税 税務調査

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子供孫名義などの名義預金

名義預金や名義財産は相続税の税務調査がイメージできる画像

 

名義預金は相続財産で相続税の課税対象

平成24年分の相続税申告件数は、5万2,394件でした。それに対する平成25年度の相続税の税務調査件数は、1万1,909件でした。

 

そうすると、相続税に係る税務調査率は、約22%程度となっています。

 

それらの税務調査で申告漏れと指摘される相続財産のうち現預金および有価証券の占める割合は過去5年間にわたっていずれも約50%を占めています。また不動産の占める割合は同じく過去5年間20%弱となっています。

 

相続財産が申告漏れとなる原因はさまざまなことが考えられます。

 

相続人が相続財産を意図的に隠蔽した場合などは別として、名義財産に係る申告漏れが多いといえます。
多くの相続人の方は申告漏れとなった名義財産の存在を知らないか、もしくは、贈与により取得済みと認識している場合が多いからです。


名義財産発見のための税務調査

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名義預金は税務調査の対象

名義財産といえば、まず現預金があげられます。

 

遺産収集を行うにあたって被相続人名義の残高証明書や評価証明書を入手します。
その際に被相続人の家族構成、職歴、年金受給金額、所有不動産、趣味や娯楽、生活費の平均月額、配偶者の職歴、配偶者の年金受給金額、相続人の家族構成、相続人の職歴、相続人の学歴等の情報を収集します。

 

それらの情報から総合的に判断して、被相続人の金融資産残高に不自然さを感じられた場合には、名義財産を発見する手掛かりとなります。

 

税務調査官は、残高証明書を入手したら、被相続人名義の各金融機関口座の取引履歴を状況に応じて最長で過去10年分入手します。証券会社からも状況に応じて顧客元帳を最長で過去10年分入手します。

 

これらの資料に基づいて被相続人名義の各金融機関口座の出入りを過去に遡って復元していきます。被相続人名義の口座内での資金移動は除外して、相続人との資金移動または不明な入出金を抽出していくと名義財産発見の手掛かりとなります。


配偶者名義の名義預金等の場合

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配偶者名義の金融財産残高

遺産収入の作業中に最も配慮すべき点は、被相続人が夫の場合の配偶者名義の金融財産残高です。

 

被相続人が高齢者の場合、その配偶者は専業主婦の場合が多く、その場合夫名義の金融財産と配偶者名義の金融財産が混在していることが珍しくないからです。 
そのような場合に配偶者名義の金融財産を名義財産と判定する根拠として、例えば次のような判断基準があります。

 

  • 1.配偶者が配偶者名義の銀行取引及び証券取引について自らの判断に基づいて主体的に行い配偶者名義の預貯金等を自ら管理運用していた場合であっても、被相続人名義の有価証券及び預金についても主導的な立場で管理運用していたこと。
  • 2.配偶者名義の預金等の原資は、いずれも被相続人が出捐(しゅつえん)したものであること。
  • 3.配偶者名義の預貯金等について贈与契約書を作成し、贈与税の申告書を提出していないこと。

 

上記の1〜3は裁判事例から一部引用したものです。
この裁判事例では1〜3を根拠として配偶者名義の預貯金等を名義財産と認めるのが相当と判断しました。

 

実際の遺産収集作業においても被相続人名義のみならず配偶者名義の金融機関口座の取引履歴を過去10年分入手することによって上記のような事実を把握できることがあります。


贈与契約が成立していると認められるか否か

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銀行印鑑は誰が管理?

配偶者名義の金融財産に限らず親族名義(子や孫)の金融財産についても名義財産の判定が論点となります。
その場合、被相続人と親族間で書面によらない贈与契約があったと認められるか否かの判断が重要です。

 

例えば、被相続人が配偶者に限らず親族名義の定期預金口座を開設している場合、親族名義の定期預金証書を生前に交付していても、銀行届出印を被相続
人が管理している場合はその定期預金口座は名義財産と判断されます。

 

銀行届出印を親族が管理していれば、その定期預金を自由に運用することができないため書面によらない贈与契約があったとは認められないからです。


金融財産が名義財産(名義預金)か否かの判断基準

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名義財産(名義預金)か否かの判断基準

裁判事例に名義預金か否かを判断するに当たって一般的な基準が示されています。

 

  • @当該財産または購入原資の出捐者(しゅつえんしゃ)
  • A当該財産の管理及び運用の状況
  • B当該財産から生ずる利益の帰属者
  • C被相続人と当該財産の名義人並びに当該財産の管理運用をする者との関係
  • D当該財産の名義人がその名義を有することとなった経緯等

上記の5つを総合的に考慮して判断するのが相当であります。

 

実務上、上記の項目を判断するに当たっては、遺産収集過程で入手した取引履歴等の客観的証拠資料と相続人からのヒアリングに基づいて、配偶者、子供、孫名義の金融財産残高が名義財産であるのかそうでないのかをその都度慎重に判断する必要があります。


金融資産の名義財産から発見される不動産の名義財産

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不動産の名義財産

名義財産の判定は、金融財産に限りません。

 

不動産についても名義財産の有無に留意する必要があります。不動産に係る名義財産は、被相続人名義の財産に占める不動産比率が高い場合に限ったことではありません。

 

不動産の名義財産発見の手掛かりは、相続人所有の不動産のヒアリングや被相続人名義の不動産の近隣の不動産の登記簿を確認することで発見することができます。

 

また、あるいは被相続人名義の金融財産の資金移動を過去に遡って復元する作業の過程で名義財産と判断された預金口座から出金して相続人名義で不動産を取得している事実を発見する場合もあります。

 

贈与税の課税処分取り消し請求上告事件では、子供名義登記されている不動産持分の取得に当たって不動産の取得のための資金は子供名義の金融機関から支払いがなされていますが、子供名義の金融機関口座が実質的には父親所有の口座であったために、結局父親から子供へ不動産購入のための資金の贈与があったと認定しています。


公正証書の贈与契約書があっても要注意

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土地の生前贈与が認められなかった事例

 

名義財産ではありませんが、裁判事例では以下のような根拠で土地が生前贈与されたものではなく相続税の課税対象財産と認定された事例があります。

 

  • @贈与を受けた日から相続開始の日まで所有権移転登記がなされていない
  • A固定資産税は、被相続人が負担した
  • B贈与に関する客観的な裏付け証拠が存在しない
  • C相続人は、贈与税の申告をしていない

特に、@の所有権移転登記とC贈与税の申告の双方が漏れている場合には、公正証書の贈与契約書が存在する場合でも相続財産を構成するものとした裁決事例があります。

 

課税対象財産の認定という点では名義財産同様に留意する必要があります。


現金を贈与した場合は贈与税の申告をしておけば大丈夫なのか

贈与税の申告と名義預金の関係がイメージできる画像

 

預金から引き出して現金を家族に贈与をした場合は名義預金?

 

Q.贈与税の申告をしておけば大丈夫なの?

自分の預金から現金を引き出して家族名義の預金を作る場合、贈与税の基礎控除を少し超える金額の贈与をして、贈与税の申告をしておけば、相続開始後に名義預金として相続財産に加算されることはないのでしょうか?

 

贈与税の申告をしておくだけで、名義預金から外されるわけではありませんが、贈与税の申告書の控え以外に、どのような証拠を残しておけばよいのでしょうか?

 

A.名義預金かどうかは名義人となった経緯等を総合的に考慮して判断

贈与税の申告さえしておけば、相続開始後に名義預金として相続財産に加算されることはない、とは言い切れません。

 

名義預金か否かの判断については、その預金の原資の出捐者(しゅつえんしゃ)、管理運用の状況、果実の取得者、被相続人と名義人及び管理運用者との関係、名義人となった経緯等を総合的に考慮して判断することとされています。

 

したがって、これらの各項目に注意して、その資金の移動が真に贈与であることを説明できる証拠を残しておく必要があります。

 

贈与の事実

贈与税の申告をしたことが、必ずしも贈与の事実を証明するわけではありません。

 

贈与は契約ですので、「あげる」という意思と「もらう」という意思の合致が原則です(民法549条)。

 

たとえば、子供名義の預金の存在を子供自身が知らず、子供名義の贈与税の申告を親が勝手にして、親がその贈与税を支払っている場合には、その贈与の事実は初めから、なかったものとして、贈与税の申告が虚偽の申告となるのが取り扱いです。

 

ただし、その子供が意思能力の幼い幼児である場合には、親権者等がその子供の行為を代理することにより、その契約を有効に成立させることもできます(民法824条)。

 

さらに、未成年の子供であっても、意思能力が認められる程度に成長した子供の場合には、単に権利を得る法律行為については子供単独でも契約が成立します(民法5条)。

 

たとえば、祖父母から贈与を受けた現金により形成された預金について、その子供が意思能力のない幼児であるときは、子供名義の預金の存在を子供自身が知らず、親が子供名義の贈与税の申告を子供に代わってすることがあり得ます。

 

この場合には親権者として子供を代理して法律行為を行ったことを明確にしておくとともに、子供が意思能力の認められる程度に成長した際には、子供の意思で使うことのできる預金があることを知らせてある点についても明確にしておくことが大切です。

 

贈与の時期

民法550条では、「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」と規定しています。

 

相続税基本通達ではこの民法の規定を受けて、財産の取得時期を「贈与の場合、書面によるものについてはその契約の効力を発生した時、書面によらないものについてはその履行の時」とする取り扱いを公表しています。

 

したがって、贈与契約書のない贈与の場合にはその贈与の履行がいつ行われたのか、という判断が重要になります。

 

子供自身が支払の手段として普段使用している普通預金の口座に親が振り込んだ場合には、その振り込んだ時を贈与の時期とすることに問題はありません。

 

しかし、意思能力のない子供名義の通帳を親が作って親が管理しているような場合において、または子供に意思能力があるにもかかわらず、子供がその通帳の存在を知らない場合において、その贈与契約について親が子供を有効に代理していないと認められるときには、その贈与は未だ履行されていないものと考えられます。

 

このように、未だ贈与が履行されていないと認められる預金については、その預金が実質的に子供の管理下に置かれたタイミングが贈与の履行の時期と考えられるために、相続開始前3年以内の贈与加算の計算を検討する場合等には注意が必要です。

 

したがってその預金が実質的に子供の管理下に置かれた時期を明確にしておくことが大切です。

 

贈与契約の内容

専業主婦である妻が、毎月の家計費の残額を、夫から「自由に使っていい」と言われた場合、どのような契約がなされたと考えるべきでしょうか?

 

「自由に使っていい」という文言からは、妻自身の消費に充てることは許されていると考えられますが、その残額を、妻名義の預金とすることまで許容されるかどうかは明確ではありません。

 

同様の事例に関する裁決例では、妻名義の多額の預金について、原資の出捐者(しゅつえんしゃ)が夫であることに争いがなく、

 

@夫の管理および運用の事実が認められること、

 

A仮に夫が妻に生活費として処分を任せて渡していた金員があり、生活費の余剰分は自由に使っていいと言われていたとしても、渡された生活費の法的性質は夫婦共同生活の基金であって、余剰を妻名義の預金等としたとしても、その法的性質は失われないと考えられるのであり、ただちに贈与の契約を意味してその預金等の全額が妻の特有財産となるものとはいえない、と判断しています。

 

したがって、専業主婦は特有財産としての銀行口座を持てない訳ではありませんが、その預金が特有財産と認められるためには、原資の出捐者からの贈与の意思とその内容が具体的に明確であり、かつ、その預金について、妻自らが管理して運用していることが必要となります。


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