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現金贈与と同じ、毎年の保険料の支払い
生命保険で贈与
相続税対策のための現金贈与も多額になると、贈与税の負担が大きくなります。現金贈与のみならず、生命保険の加入も視野に入れて考える価値はあります。
被相続人本人が自分に保険をかけると、自分が亡くなった時に多額の死亡保険金が支払われる他、相続税の非課税の特例があります。
生命保険の死亡保険金を受け取った場合、誰が保険料負担者なのか、誰が保険金受取人なのかによって税金が異なってきます。
保険料負担者と被保険者が被相続人であり、かつ、その死亡保険金の受取人が相続人である場合、受け取った死亡保険金は、「みなし相続財産」として相続税が課税されます。
しかし、残された遺族の生活保障という観点から、受け取った金額のうち一定金額については、相続税が課税されません。
【生命保険金の非課税限度額】
500万円×法定相続人の数
- 法定相続人の数は、相続の放棄がなかったものとします。
- 養子がある場合には、実子がいれば1人、実子がいなければ2人までしか法定相続人の数に加えることはできません。
例)
たとえば、ご夫婦と子供3人の5人の家族の場合に、父が死亡したことによって受け取った死亡保険金については、2,000万円(500万円×4人)まで相続税は非課税となります。
一次相続だけでなく、二次相続にも備える
子供にとっては、一次相続と二次相続の両方を考えなければなりません。
是非、生命保険の非課税枠は父親の相続にも母親の相続にも活用すべきです。
一次相続 | 500万円×法定相続人の数(4人)=2,000万円 |
---|---|
二次相続 | 500万円×法定相続人の数(3人)=1,500万円 |
合計 |
3,500万円 |
せっかくの非課税枠の特典がありますので、一次相続、二次相続にもダブルで活用するようにしましょう。
非課税枠の活用は生前贈与以上の効果
上記の例の場合、この非課税枠を活用することによって、税金が課税されずに2,000万円の現金で相続人に移転することができるのです。
したがって、この死亡保険金2,000万円の生命保険に加入することは、110万円(贈与税の非課税枠)の贈与を約18年間(2,000÷110万円≒18.1年)行うのと同じ効果があります。
保険料の贈与税額と一次所得の所得税額を考慮
贈与税と所得税のバランス!
非課税枠を超える死亡保険金には相続税がかかります。次のステップとして保険料の贈与プランも検討します。
保険料の贈与プランによると、将来予想される相続税の納税資金の不足額に見合った保険契約の保険料として必要な額を、毎年相続人である子供に贈与していき、子供がその贈与を受けたお金で父親に保険を掛ければ、納税資金計画が完成します。
ただし、資金繰り上、贈与した保険料に対する贈与税額と、受け取った高額な保険金に対する所得税を考慮する必要があります。
生命保険を活用して相続税の納税資金作り
納税資金をしっかり確保
相続税を納税する際、相続人が取得する資産が事業用の不動産や非上場株式などの換金性の低いものばかりであるときには、納税資金の調達に苦労することになります。
相続税を納税するためには、現金を用意する必要があります。また、他人の相続人に対する※代償分割の問題が生じた場合、そのための資金調達にも苦労することになります。
※代償分割とは、特定の相続人が財産を相続する代わりに、他の相続人に金銭などを与える方法です。
そのため、早めに子供達へ現金や金融資産を贈与しておく、不動産保有会社を立ち上げて子供たちに給与を支払って現金を貯めておいてもらう、などの早めの納税資金対策が必要です。
この点、納税資金対策として、生命保険を活用することができます。
相続税を支払うための十分な現金がなければ、その不足分を保険金によって賄うことができるのです。
また、生命保険金は保険金受取人の固有資産であるために遺産分割協議の対象にはなりません。相続人間の代償金に使うことができるというメリットもあります。
相続財産がほとんど不動産である場合、不動産は容易に売却することができず、納税資金の確保のために現金化することが困難です。特に、先祖代々の土地は売却したくないが、その一方で現金がない、という場合に納税資金に困ることになります。
このような場合に、生命保険があれば、代償分割を容易に行うことができるのです。
さらに、遺産分割協議が難航して、相続発生時から10ヶ月以内に相続税を納めることができず、銀行預金口座が凍結されてしまったとしても、死亡保険金が入ってくれば、支払手段としての現金を手にすることができます。
銀行預金が引き出せないという最悪の事態に陥っても、死亡保険金を遺産分割の対象とする必要はありません。保険会社へ書類を提出すれば数日間でまとまった現金が支給されます。葬儀費用や病院への支払いに充てることができるわけです。
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